運動器リハビリテーションとは
リハビリテーションには運動器リハビリテーションと物理療法の2種類があります。運動器リハビリテーションとは運動器疾患を持つ人々に対して理学療法士が個別に対応し、運動療法(ストレッチや筋力強化など)、装具療法などを用い身体機能を可能な限り改善することを目的とします。「運動器リハビリテーション」は運動器に障害を持つ人々の日常生活の質(QOL)の維持、向上のために重要な役割を担っています。
当院は運動器リハビリテーション(Ⅱ)の施設基準をクリアしており、55㎡のリハビリテーション室を使用して、4名の理学療法士による運動器リハビリテーションを実施しています。
痛みの軽減や関節運動・筋力の改善のために局所の治療を行うだけではなく、姿勢や動作の改善にも努めています。
主な対象疾患
変形性脊椎症、脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア、脊椎圧迫骨折、後縦靭帯骨化症、膝前十字靭帯損傷、膝半月板損傷、反復性膝蓋骨脱臼、変形性膝関節症、変形性股関節症、大腿骨頭壊死症、大腿骨頚部骨折、足関節捻挫、五十肩、反復性肩関節脱臼、腱板断裂、野球肩、野球肘など
治療の目標と方法
治療の目標は、問診内容や身体の評価のもとで決定します。それぞれの身体状況に合わせて十分にコミュニケーションをとりながら、単なる運動ではない治療プログラムを作成し、マンツーマンで実際の治療にあたっています。例えばスポーツをしている方では膝、足関節の靭帯損傷・投球時の肩や肘関節の障害・腰痛といった疾患が多い傾向があります。膝関節の靭帯損傷では膝半月の損傷を予防するために大腿四頭筋のセッティングを行います。
また足首の靭帯損傷は放置しておくと慢性的に足首をひねりやすくなってしまうため、再発しないように注意して治療を進めます。肩や肘の痛みは体幹や下半身の影響を受けるため、全身のバランスを見てどのようにストレスがかかっていくかを考えて治療をすすめます。骨折後のリハビリテーションは運動療法と超音波骨刺激装置を同時に使用することで早く日常生活に戻れるように努めています。
関節拘縮や筋力低下の改善のためにレッドコードを利用しています。レッドコードはもともとスリング・エクササイズ・セラピーからの発展であり,ノルウェーの医師と理学療法士によって開発され,世界各国で発展し続けています。
スリングとロープを使用して身体にかかる重力を免荷することで身体を重さから解放することができ、また逆に不安定な状況を作ることで質の高い運動を行うこともできます。
おおよその費用
運動器リハビリテーションは個別で行います。保険診療のため、各種保険が適応になります。おおよその金額は下記の通りです。
- 1割負担の方は1回40分で340円がリハビリの自己負担分です。
- 3割負担の方は1回40分で1020円がリハビリの自己負担分です。
その他
- 運動器リハビリテーションは予約制としています。
- 体調不良や急用などで都合が悪くなった場合は早めにお電話でのご連絡をお願いします。
- 内科的な持病のある方はかかりつけの病院の先生とリハビリテーションの実施の可否についてご相談をいただく場合があります。
- リハビリテーション中に痛みや気分不快を感じた場合にはすぐにスタッフにお知らせ下さい。
- リハビリテーションは原則として担当制ですが、予約状況により通院頻度が減少しないよう、他のスタッフが担当することがあります。